感じていますか 風の薫り

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2016年05月

感じていますか 風の薫り

新緑にそよぐ爽やかな風。
それを感じるこころのゆとりをいつも。

感じていますか 風の薫り
Always be sensitive to nature’s changes, like the fresh green and refreshing breezes of early summer.

 

 

広渡寺ホームページの『今月の標語』とおなじ標語が『浄土宗新聞』や『浄土宗月訓カレンダー』にも出ています、

5月の標語『感じていますか風の薫り』の解説を広渡寺副住職が『浄土宗新聞5月号』に載せています、ご紹介します。

 

 先日、幼稚園に通うようになり、体力のついてきた娘と、近くの山に登りました。山登りといっても、遊歩道の整備された、子供の足でも30分ほどで登ることのできる小さな山です。頂上の展望台で町を見下ろしながら、「あそこがお寺で、あっちが幼稚園。向こうがいつも買い物をするスーパーで‥‥」心地よい風に吹かれながら、娘とそんな話をしていると、「あっ、お父さん、風からお山の匂いがするよ!」娘がそういいました。いわれてみると、確かに風から木や葉っぱの匂いが、かすかにするような気がしました。子どもは不思議なことをいうものだ。そう思いつつも、この私自身、子どもの頃には土や雨、川や海、さまざまな薫りを風から感じながら、毎日遊んでいたことを思い出しました。そして同時に、いつからそのような薫りを感じることがなくなったのだろうか?そう考えさせられました。

 浄土宗をお開きになりました法然上人の詠まれたお歌に、「月かげの いたらぬさとは なけれども ながむる人の 心にぞすむ」というものがあります。浄土宗の宗歌にもなっている「月かげ」のお歌です。

 月の光はどんなところへもくまなく届く。でも、その月の光を見ることができるのは、月を眺めようとしている人だけである。それと同じように、「南無阿弥陀仏ととなえる者は、だれひとり漏らすことなく、必ず極楽浄土に救いとる」そうお約束してくださった阿弥陀さまは、だれのもとへも、分け隔てなくお救いの手を差し伸べてくだっさている。だけど、阿弥陀さまのお救いを受けることができるのは、阿弥陀さまのことを信じ、極楽往生を願い、お念仏をおとなえする者だけである。そんな意味のお歌です。

 私たちは、この慌しい毎日の中、風の薫りを感じなくなってしまうように、阿弥陀さまのお救いを信じる心、ついつい、忘れがちになってしまっているのかもしれません。しかし、今この瞬間も、阿弥陀さまは私たちのことを絶えず、見守ってくださっています。

 一年のうちで、もっとも季候のいいといわれる5月。爽やかな青空を見上げ、風に新緑の薫りを感じながら、自分自身の信仰心をもう一度見つめ直してみましょう。時にはゆっくり立ち止まり、心にゆとりを持てば、きっと阿弥陀さまのお慈悲のお心を感じることができるはずです。是非、そんな時間を作ってみてはいかがでしょうか。

(静岡県函南町 廣渡寺 林泰裕)

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