『涅槃会(ねはんえ)』

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2月15日は、仏教の祖・お釈迦さまのご命日です。多くの寺院では、亡くなられたときの様相を描いた「釈迦涅槃図」を掲げて涅槃会(ねはんえ)と呼ぶ法要を勤めます。

 涅槃会の「涅槃」とは、「あらゆる煩悩の火を吹き消した」という原意を持ち、そこから「さとりの境地」を指す言葉となりました。35歳でさとりを開いたお釈迦さまは、そのときに涅槃の境地に入られたのですが、煩悩の原因といわれる肉体が、死によってなくなった(滅びた)ことから、その逝去のことを特に「涅槃」といいあらわし、ご命日の法要を「涅槃会」というようになりました。

 ご命日は陰暦の2月15日(満月の日)と伝承されたことから、日本では2月15日もしくは旧暦の同日(今年は2月23日)、または月遅れの3月15日に法要を行っています。

 お釈迦さまの臨終の際、弟子が「葬儀はどのようにしたらよいか」を尋ねると、「荼毘(火葬)に付し、遺骨を骨壺に収めて、塔を建立するように」とおっしゃいました。現在の日本のお葬式やお墓はこれが由来とされています。

 塔(仏塔)はインド各地に建てられ、お釈迦さまの遺骨(仏舎利)が納められました。そして200年後、仏教を篤く信仰したアショーカ王によって8万4千の仏塔がインド各地に建てられると出家者、在家信者問わず、広く仏教が信仰されるようになったのです。

(「浄土宗新聞」平成28年2月号より)

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         広渡寺の「涅槃図」は今から164年前の嘉永5年(1852年)に描かれた「大涅槃画軸」です。

         ※写真をクリックすると拡大表示します。



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